夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

パッケージメディアの終焉・ある夢想家の悪夢

 朝は、パソコンの前から始まる。別にテレビの前から始まってもいいのだが、テレビのニュースは、どこか操作されているような気がして参考にならない。ともかく、新聞が配達されなくなって、久しい。エコブームのさなか、新聞が大量に紙を無駄に消費しているという環境団体の攻撃にあったのだ。新聞は、環境団体のメッセージを支援してきたが、追及すれば追及するほど、自分の立場が矛盾に満ちていることに気がつかざるを得ない。そこで、紙媒体をあきらめてインターネットでデータ配信を本格的に始めた。いまさら、有料化は不可能なので、広告つきのニュースを。当然、おかげで販売店や配達員の大量解雇を行い、すべての新聞社は裁判で係争中だ。

 ともかく、ネットで新聞を読み、気になったデータはプリントアウトするか保存する。グーグルデスクトップ検索は、ファイルに放り込んでおいてもきちんと探し出してくれるので便利だ。さらに雑誌も。何年か前から町の本屋が消えつつあった。その代わり、大型の書店が登場したが、人々の興味を満足させることはできなかった。総合雑誌は消え、趣味の雑誌が細々と続いているだけだった。今では、過去の雑誌はきちんとデータベース化して、ネットを通して読むことができる。しかも、最新の雑誌の見所を雑誌のサイトでチェックして直接直送してもらう。町の本屋で、本を探す楽しみは消えたが、図書館のデータベースが充実しているので、いながらにして本屋にいるようなものだ。

 ゲームや音楽もショップが直接のサイトになった。コンテンツを配信してもらうことで、外に出る必要もない。最近、生鮮食品のネットオークションも始まった。産地直送なのだが、賞味期限ぎりぎりに買うと安く買える。まるで、スーパーの閉店間際の安売りセールのようだ。最近のスーパーもサイトを持っていて、無店舗スーパーが大流行である。生産地と契約していて、直送するので、店舗や従業員のコストがかからない。何でも、コンビニも無店舗化するのではないかと噂されている。昔みたいに、店舗数を競うなんて馬鹿な争いはしない。

 おかげで町には何もなくなった。たまに、町内会主催の祭りが開かれるので、顔を出すのだが、いつも同じ顔ぶれで新鮮さがなくなった。すべてが家の中で、完結している時代である。家の外に何があるだろう。

 誰かが叫んだ。「リアル・ワールドへようこそ」まだ、マトリックスの映画を見ているようだ。
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