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素人だから言えることもある

官僚的なもの=頭のないロボット


頭のないロボット


 日本の官僚は世界的に優秀だという。多くの国家官僚が東大卒だというのは、その優秀さをあらわしている。もちろん、どこが優秀かといえば、「頭が優秀」という意味である。しかし、民主党政権は何を壊すのか(「プロにお任せ」の時代は終わった・2) で考えたのは、その優秀な官僚が、国民に仕えず、天下りや無駄遣いなど自己保身に走っていることだ。


 これは何を意味するか。頭のないロボットは何をするだろうか。つまり、命令すべき頭がなければ、まず最初にすることは、自分の身を守ることだ。何しろ、とても優秀なロボットである。いつ、どんな命令が下されるかわからない。できるだけ頑丈に、身を保っておかなければならない。そのために、ムダ金をため、権力の幅をできるだけ広く取ろうとする。そして自分の身の保全を求めての天下りだ。全ては、時の政治家が、官僚の頭になろうとせず、お任せしてしまった結果である。そして、日本の多くの優秀な企業も、同じような官僚制度を採用している。つまり、官僚制度の副作用は、やはり一般企業に現れている。


 僕は、それらの人の特徴を「先のことを考えられない人たち」と呼んでいる。彼らの頭脳の優秀さは、非常に狭い分野でしか使われない。つまり、彼らには、全体を見渡す力もなければ、未来を展望する力もないのだ民主党は、勝手に自己保身に走る官僚を、政治主導という名の下に、官僚の「頭」になろうとしている。


民主党の頭と体


 ほとんどの組織が官僚制を採用しているということは、頭になるべき経営者がいなければ、「頭のないロボット」になりかねないということだ。先のことを考えるということは、頭が必要ということだからだ。ロボットと人間の違いは、ロボットは自殺をしないということだ。日本人が、毎年3万人以上の自殺者が出るのも、明確な希望を示すという頭になるべき人間がいないからである。今回のマニフェストに、両党ともビジョンが示されなかったのもその点で気になる。


 ダイヤモンドオンラインに面白い記事があった。「新政権は「小沢肩車政権」!? 」というタイトルで、細川政権時の元経済企画庁長官の田中秀征氏の書かれたものだった。



 かくして、150人とも言われる強固な小沢派を中核にして民主党の小沢体制が確立される。その小沢氏に肩車されるのが「鳩山首相」と言うことになる。
 私は戦後政治史の中で、これほど強固な政治勢力を率いる政治家を知らない。佐藤栄作元首相や田中角栄元首相も党内に強力な政治基盤を築いたが、それぞれ池田勇人元首相や福田赳夫元首相のような肩を並べるライバルがいた。それに比べて、これからの民主党は小沢氏の一人天下のようなもの。反小沢、非小沢の姿勢を見せていた人たちまでいつの間にか白旗を上げてしまった。
 では肩車された「鳩山首相」は、どのように行動すべきだろうか。私は、公然と行き先を指示したほうがよい、と考えている。それを小沢氏が最大限尊重して足を進めれば、小沢支配はマイナスどころか大きな成果を生むに違いない。
 ところが、鳩山氏の指示があいまいであれば、小沢氏は自分の進みたい方向に突っ走るだろう。
田中秀征 政権ウォッチ 新政権は「小沢肩車政権」!?


 つまり、僕の説で言えば、小沢氏は官僚であり、「頭のないロボット」ということになる。そして、鳩山氏は小沢氏を指示する「頭」ということになるわけだ。小沢氏は、政権に興味があるが、政策には興味がないという。今回の選挙で、小沢氏の政権への執念は十分にわかった。だが、官僚作りはできるが、政治家作りはできるだろうか。ともかく、鳩山氏は官僚と小沢氏、双方の方向を示さねばならない。そして、それは「頭のないロボット」になりかけている全日本人に対しても。あまりにも、大きな難問である。


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