夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

嘘つきテレビとモラルの崩壊

 フジ系の高視聴率番組「あるある大事典」のねつ造が発覚した。

「番組ねつ造:「あるある」に消費者から怒り」(毎日新聞1/21)

それはうそだった。フジテレビ系列で7日放映の「発掘!あるある大事典2」が紹介した「納豆ダイエット」。番組を制作した関西テレビが20日会見し、効果の根拠としたデータや専門家の発言に、多数のでっちあげが含まれていたことを明らかにした。番組放映後、スーパーでは売り切れが相次ぎ、メーカーは増産に追われて新聞におわび広告を出した。「毎日食べていたのに」。消費者からは怒りの声が上がった。
 健康番組ブームである。毎日のようにどこかの局が様々な健康番組を放送する。そんなに大発見が続くわけがない。どこかに無理がくる。その原因は、テレビ局と制作会社の関係にもある。

 いくら制作会社が精魂こめて作っても、その著作権はテレビ局が握っている。テレビ局が形ばかりのプロデューサーを送り込んで自分たちの著作権を主張する。

テレビ局がそうまでして番組を自分たちの所有物にしたがるのには、それなりの理由がある。テレビ局は、番組を自分たちのものとすることで、制作会社が放送後に勝手に番組を使って商売できないようにしているのだ。商売とは、例えば制作会社がほかのテレビ局を通じて番組を再放送したり、DVD化して販売したり、ネットで流したりして、利益を上げることである。(吉野次郎著「テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか」日経BP出版センター)
 このような状態では、テレビのコンテンツの信頼性が揺らぐのは当然である。いきおい、できるだけ制作費を安く仕上げ、やっつけ仕事になる。制作会社にちゃんと著作権を認めてこそ、初めてモラルが保たれるのである。

 同じようなことは、不二家の問題でも言える。どれほど、企業イメージが素晴らしくても現場のモラルが保たれなければ、ナンセンスな紙っぺらとなる。

 最近、多くの企業に不祥事が続く理由は、現場と会社上部の管理が乖離していることである。現場では、派遣社員やパートなど非正規社員が多い。もちろん、正規社員だから優秀だといっているのではない。きちんとした安定した現場でなければ、モラルは保てないことを示している。
ブログパーツ