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素人だから言えることもある

モバイルインターネットはPCを救う?(ホームサーバの戦い・第21章)

Street Viewのあるケータイ

 グーグルのエリック・シュミットCEOは、こんなことを言ったという。

Google CEOのシュミットが予言,将来はモバイル事業がPC事業を上回ると(メディア・パブ8/16)

 GoogleApple時価総額で追い抜かれた丁度そのタイミングで,同社CEOのEric Schmidt がJim Cramer担当のCNBC番組“Mad Money”に出演した。Cramerは有名な投資指南役であるそうな。その番組でSchmidtは,Googleは絶えず新しいことに挑戦し,急成長を続けていくと主張。またGoogleは将来,デスクトップ事業よりもモバイル事業で多く稼いでいくだろうと予言した。つまりモバイルインターネット全盛時代に入っても,Googleは主役の地位に居座ると言いたいのだろう。
おそらく、グーグルのAndroid携帯のことを言っていると思われる。CNET Japanでも、アメリカでは11月に発売されるという。

Android」搭載携帯電話の発売は11月の可能性--FCCの承認で明らかに

 Engadgetは、HTCの「DREA100」携帯電話が、FCCの無線テストに合格し、米国内での販売が承認されたと伝えている。Dreamブランドの携帯電話を提供する通信キャリアは、T-Mobile USAとなる予定である。Dreamには、「BlackBerry」に搭載されているような「ジョグボール」が、メインコントローラとして採用されそうだ。
 当然ながら、今、読者ブログで話題になっている、Street Viewも搭載されることになる。

グーグル、「Android」に搭載されたタッチ操作中心の機能を披露

米国時間5月28日に当地で開催されたカンファレンス「Google I/O」で講演に立ったAndroidのエンジニアリングディレクター、Steve Horowitz氏は、Android搭載の携帯電話の画面を指でフリック(軽く叩く動作)して、ホーム画面からさまざまな機能を披露して見せた。だが、さらに目を引いたのは、端末に内蔵された方位検知機能と加速度計を利用し、Street Viewの応用の可能性を見せるデモだった。


 なるほど、Street Viewは、自宅のPCを使うよりもケータイで使うことで効果を増す。グーグルはあくまでケータイ搭載を念頭において開発したに違いない。同じようなことはiPhoneでできないだろうか。iPhoneを持ってないので、検索してみたが現状ではできないらしい。見つかったのはこの映像


なぜPCはケータイに向かうか

 パソコンを持っている人と車を持っている人は一面で似ている。キーボードが使えるとか、免許を持っているとか、その世界に入るための敷居が高いのである。もっと幅広い層に受け入れられるためには、思い切った計画が必要になってくる。たとえば、パソコンにキーボードか必要と考えていたら、イメージは変わらない。

アップル、マイクロソフト、次の一手(ホームサーバの戦い・第13章) で、ビル・ゲイツの言葉を紹介した。

そして今後はというと、PCとインタラクトする方法が変わってくるだろう。それは、タッチ技術を使ったり、インテリジェントなホワイトボードだったり、言語による操作だったり、より多くの手法が一般的になるだろう」と述べ、技術の進化により従来のキーボードやマウスに取って代わって、人間にとってより自然なインターフェイスが登場するとの考えを示した。(Microsoft会長ビル・ゲイツ氏、来日記者会見〜今後の10年はキーボードに代わるインターフェイスが登場する時代)
それはいったい、どんなインターフェースなのか。たとえば、WiiやiPhoneのようなものなのか。Gpara.comにこんな記事が載っていた。

ゲイツ氏 未来のゲームインターフェース“Wiiとは違う!?”

パネルディスカッションにおいて、司会のWSJ紙コラムニストとIT担当記者は、パソコンのユーザーインターフェースの進展について質問を投げかけた。ゲイツ氏は次のように言っている。「自然な入力が変化を引き起こす。ソフトウェアが視覚認識を行うようになっている。プレイヤーがバットやテニスラケットを手にして振ることのできるゲーム機を想像してみてほしい」

 ここで司会が、任天堂のWiiがすでに同じことを実現していると指摘すると、ゲイツ氏は即座に「いや、そうじゃない」と言い返し、こう続けた。「Wiiではテニスラケットを実際に持って振るわけではない。友達と一緒に座ったままでは、自然な振る舞いはできない。Wiiは立体的な動きを感知するデバイスだ。私が言っているのはビデオ認識。何が起きているかをカメラが見ている

他人に対して、誰も見たことのないものを説明するのは難しい。どうしても、すでにできたものを想像してしまうからだ。ぼくは、ビル・ゲイツじゃないのでこれが正しいとは思えないが、アップルのiPhoneビル・ゲイツの「ビデオ認識」を無理やりつなげてみた。

ぼくは、アップルはなぜ、パソコンをケータイにしたか(ホームサーバの戦い・第18章) で、

これからは、自宅の中、家庭内での利用の拡大が新たなフロンティアになってくる可能性が高い。つまり、ケータイはことごとくスマートフォン化し、今後はすべての家電製品との連携の中で、本当の意味でのデジタルハブになっていく可能性があるのである。(小川浩・林信行著「アップルとグーグル」インプレスR&D)
という言葉を引用した。狭い書斎を飛び出して、家電をつなぐデジタルハブになり、また、Street Viewは地域と人をつなぐデジタルハブになる。今まで、自分の部屋の中で想像していた世界を現地で確かめるNAVIとして活用できる。見えたものを自分の頭にインプットできるだけじゃケータイPCではない。

ビル・ゲイツのいう、ビデオ認識とは、ケータイPCが、「自然な入力が変化を引き起こす。ソフトウェアが視覚認識」を判断し、インターネットから様々なデータを瞬時に引き出すシステム。まるで、メタルギアソリッドターミネーターのように目の前にデータが羅列するごとく。それにはケータイがふさわしいということなのではないだろうか。

追記

TechCrunchの記事によれば、グーグルのAndroid携帯もSET TOP BOXを目指すのだという。

Androidと万物のインターネット化

Googleが提唱する携帯OS、Androidを搭載した携帯電話(キャリヤはT-Mobile)の登場がいよいよ間近になってきたが、ここであらためてGoogleの野心はAndroidを単に携帯OSだけには終わらせないのではないかという疑問が提示されている。VentureBeatのEricEldonは、推測ではあるが、よく考えられた記事でこう書いている。

業界の情報源によると、Androidが携帯OSとして開始されたのは事実だが、Googleはこれをテレビのセットトップボックス、mp3プレイヤー、その他コミュニケーションとメディア関連のデバイス全般に拡張し、一種のユニバーサルOSとしていく計画だという。

Eldonの情報が正しければ、Androidは将来携帯電話を超えて、セットトップボックス始めありとあらゆるデバイスのOSに広がっていくことになる。もしわれわれが万物のインターネット化に向かって進んでいるなら、それらもろもろのデバイスのOSが必要になる。ただしこの場合、オペレーティング・システムは一部がデバイスの上に、一部がインターネットのクラウド上に存在する。そして、たとえば、GoogleのApp Engine向けに書かれたアプリケーションがウェブ全体でさまざまなデバイスの上で共通に作動することになる。

まさに、マイクロソフトの狙ったXbox360、アップルの狙ったApple TV、iPhone、ソニーの狙ったPS3、PSPの向かう道をグーグルが進むことを意味している。彼らのうち、一番最初に勝利の雄叫びをあげるのはどれか、一番普及したセットトップボックスこそがホームサーバの戦いの勝者となれるのだ。
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