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素人だから言えることもある

誰もが大切な人に (悲しみが希望に変わるとき・2)

悲しみの先にあるのは怒りとあきらめ

佐々木氏のツィート
生活保護世帯の子供たちの実状。家庭での居場所も学力も、数多くの「あたりまえ」を最初から奪われている。/貧困の世代間連鎖は止められないのか 「江戸川中3勉強会」25年目の夏 http://bit.ly/N4FTxF
(https://twitter.com/sasakitoshinao/status/236601573239816192)
から貧困の世代間連鎖は止められないのか「江戸川中3勉強会」25年目の夏に見た生活保護世帯の子どもたちの現実を読んだ。

貧困が親が子供を見る余裕をなくし、子どもの学習意欲を育てる環境もない。

物理的なスペースの問題だけなら、「図書館に行く」などの方法で解決できるだろう。しかし、家庭環境がそもそも、進路をじっくり考えるに適していない。「親が病気」「親に代わって家事万端をしなくてはならない」という中学生もいる。
(中略)
「夜、外を歩くと、生活保護世帯の子どもたち、たくさんいますよ。公園やコンビニに、たむろしています。明け方に家に帰って眠り、目が覚めたら、もう中学校は大遅刻になってしまう時刻です。それでも学校に行くと、教員に『何やってるんだ、夜遅くまで。ゲームかマンガだろう』というふうに言われてしまって。子どもたち、言い返せないんです」(貧困の世代間連鎖は止められないのか「江戸川中3勉強会」25年目の夏に見た生活保護世帯の子どもたちの現実)
家庭にも学校にも居場所がなくなり、友達からはいじめの対象になる。だから、
子どもたちの相当数は、早ければ小学校高学年で、いわゆるヤンキーになる。中学生になると、非合法薬物使用や無免許運転に手を出すことも珍しくない。その結果、命を落とすこともある。高校には進学しても中退し、「できちゃった婚」をするが、安定した職業のもとに安定した家庭を築けるわけではない。若い母親はしばしば、生まれた子どもを育てるために実家に舞い戻る。それが不可能なら、生活保護を受給する。祖父母世代・両親世代と同様に。」(貧困の世代間連鎖は止められないのか「江戸川中3勉強会」25年目の夏に見た生活保護世帯の子どもたちの現実)
私たちは建前上、あらゆる子供たちは、同様に学ぶ権利があると言っている。ところが、この学ぶ権利は親の生活環境に左右されるのだ。

大切な人が機能しない

前項「悲しみが希望に変わるとき」で考えた大切な人はこの記事にも登場する。親ができない分、彼らを支援するボランティアスタッフの人たちだ。
「私には、何もしてやれんとよ(やれないのよ)」
と嘆きつつ、意欲と学力を削がれなかった中3の生徒に他地域の高校への進学を勧め、合格できるように学習指導をする。(貧困の世代間連鎖は止められないのか「江戸川中3勉強会」25年目の夏に見た生活保護世帯の子どもたちの現実)
ブルース・ウェインのような金持ちならともかく、個人のボランティアではどうしようもない現実がそこにある。いじめは差別から始まる。能力差、貧富、いくらでも理由はあろう。周りの親たちはどう考えているか。そんな子供と付き合うなというだろう。
本来、周囲の大人に、親のしないこと・できないことを肩代わりする義務はない。親に対して役割を果たすことを求め、応じない親を批判すれば済むことだ。大人たちがそうしている間にも、子どもたちは成長する。大きな欠落を抱えたままで。(貧困の世代間連鎖は止められないのか「江戸川中3勉強会」25年目の夏に見た生活保護世帯の子どもたちの現実)
親を批判して生活環境がよくなるなら、とっくに直っているだろう。批判しただけで自分の役割は済んだと思っている親がどれだけ多いか。だが、彼らとて明日は我が身である。不況下の今、いつリストラされるかもわからないのだ。このため、
人間にはそれぞれ許容限度(キャパシティ)というものがある。高度成長時代であれば、キャパシティが広く、ある程度の生活保護受給者を受け入れることができる。現代では、人々はそんな余裕がないので、反発をするのだ。(日本人のキャパシティが落ちている)
ということになる。余裕がないため、周りが敵に見えてくる。子供たちを守るためには危険な人に近づけないこと。正しいように見えて、矛盾を起こしている。相手を敵視すれば、相手もまた自分を敵視するものだ。やがて、人々は孤独になり、自暴自棄になるだろう。それよりも周りに大切な人をたくさん作ることが大切である。

大切な人というと、足長おじさんのように余裕のある人とかお金持ちというイメージがあるかもしれない。しかし、金銭的余裕は関係ない。ただ、その子の自尊心を認めてあげること。その子をその子らしく生きることを見守ってあげること。それだけでいい。大切な人がその子の周りに大勢になれば、自然と希望が生まれる。一番危険なのは、自分が孤独であると思うことなのだから。
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