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素人だから言えることもある

イチローと一郎、その発言の重さと軽さ

イチローの発言

 WBCで侍ジャパンが二連覇を達成した。いつもイチローの発言が独特である。
WBC:イチロー「最後に神が降りた」

 ◇イチロー選手の談話

 ありがとうございます。いやーもう、苦しいところから始まって、苦しさからつらさになって、つらさを超えたら心の痛みになった。最後は笑顔になれた。最後の打席では神が降りてきましたね。自分(の心の中)で実況しながら打席に入った。一つ壁を越えた。

 (「今大会は山あり谷ありでしたが」と質問され)谷しかなかった。最後に山が来ました。これからシャンパンファイト、思いっきり浴びてきます。

 キューバを5-0で完封勝ちしたとき
イチロー復活!13打席ぶりヒット!「心折れかけていた」

イチロー第3打席のバントの失敗でほぼ折れかけていた心がさらに折れた。ほぼ折れかけていた心をギリギリでつなぎ止めた。きょうの結果は天国行きか地獄行きかを決める試合。天国に行けて良かった。流れをくい止めていたのは完全に僕だった。本当に支えてくれて、ありがとうと思った。チームメートがつないでくれるというのはすてき

 イチローの言葉は、その確かなプロ野球選手としての実力と的確な指摘で注目されている。思えば、このWBCの代表監督選出のゴタゴタの時もそうだ。
イチロー「北京のリベンジの場ではない」WBCに初言及

 野球の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督選出問題について、マリナーズのイチローが18日、混迷する現状について初めて言及。「最強のチームをつくると言う一方で、現役監督から選ぶのは難しいでは、本気で最強のチームをつくろうとしているとは思えない」と指摘した。

 日本は2006年前回大会で世界一に輝いた。「もう一度本気で世界一を奪いにいく。WBC日本代表のユニホームを着ることが最高の栄誉であるとみんなが思える大会に、自分たちで育てていく。シンプルなことなんですけどね」と話した。

 イチローは正式要請が届く前に自ら参加の是非について語らない姿勢を貫いているが、現実的には出場の可能性が高い。参加を前提としての発言のようだ。「大切なのは足並みをそろえること。(惨敗の)北京(五輪)の流れから(WBCを)リベンジの場ととらえている空気があるとしたら、チームが足並みをそろえることなど不可能でしょう」。イチローの声は今後、いかに響くか。(共同)

 イチローWikipediaにこうある。
普段はメディアの取材に積極的に応えることはないが、糸井重里との対談で、「僕はゲームの後にその日の試合のことについて語ることを、あまりしていません。それは真剣に見てくれている人々のことを考えると、いい加減なことを言えないからです。適当にあしらうことはできないんです」と語っている。「オフになってからは『イチローは何を考えているのだろう』という質問に答えることにしています」との言葉どおり、オフの特別番組やロングインタビュー等には積極的に応じている。同対談では「一時的な注目ではなく、何年も僕に興味を持ってくれる人達とは、もう一生の付き合いだと思っているんです」とも語っている。(イチローWikipedia)
 会計事務所研究会のWBCイチローの発言にみる真のプロフェッショナル論という記事があった。
日頃、クールでどちらかといえば個人主義と思われがちだったイチローがこの大会に関しては、非常に強い言動を繰り返してきた。最初に選手が集合した段階では、「王監督に恥じを欠かすわけにはいかない」と言い、一次リーグ前には「相手が30年間立ち向かって来れないような勝ち方をしたい」とまで言った。この言葉で韓国チームがイチローに対して、異常なまでの敵意を剥き出しにし、それが結局は日本が2連敗してしまう遠因にもなっている。

そしてその韓国に2連敗した時には、「野球人生で最大の屈辱」といい、準決勝の前には、「日本が同じチームに3連敗することは許されない」とも言っている。そうした強い発言を繰り返していた今大会の中でも最も彼のプロフェッショナル意識を感じさせたのが、優勝後のシャンパンファイトの中でのインタビューでの言葉だった。

子供の時のように野球を楽しむことができ、そして、その中でプロとしての責任、使命を果たすことができた」。子供の時のように楽しむ。これは初心を忘れず、仕事にあたるということであり、そしてその中でプロとしての責務と役割を理解し、それを果たす。それこそが、本当のプロフェッショナルなのだとこの言葉を聞きながら、強く意識させられた。

振り返ってみれば、イチローは今回、強い言葉を発しつづけたのも、自らも含めて、チームに強いプレッシャーをかけることで、そのプレッシャーの中で野球(試合)を楽しむこと、そして、プロとしての強い心構えをチームに伝えたかったのではないかと思う。そして、最後にそのことが全員が同じ方向に向かったことで世界一を掴み取ることができたのだと思う。

 イチローが、そのプロとしての発言によって、侍ジャパンというチームを駆り立ててきたとするのであれば、民主党というチームを率いるもう一人の(小沢)一郎はどうであろうか。

小沢一郎の発言

 民主党の小沢党首の公設秘書が政治資金規正法違反で起訴された。実は、本日のマイコミジャーナルで「小沢発言でブログ記事大賞の"マスゴミ"発ブロガー・阿比留氏に聞く、「記者ブログ」との付き合い方」というインタビュー記事があった。
アルファブロガー・アワード2008:ブログ記事大賞」。例年はインターネット上で発言力を持つとされる「アルファブロガー」を選出するものだが、2008年度はブロガーではなく、"エントリー(記事)"が選考対象となった。ここに興味深い受賞者がいる。受賞エントリーは、最近世間をお騒がせ中のあの政治家について書かれた「小沢一郎氏の初当選からの言動を振り返る・その一」(2008年10月11日投稿)。執筆者は阿比留瑠比氏。産経新聞の政治部に所属する現役記者だ。
という。そこで、小沢一郎氏の発言をそのエントリーから引いてみる。ところで、「小沢一郎氏の初当選からの言動を振り返る」は一から十九まである。今回興味を持ったのは、今回の政治資金問題を過去にどう発言していたのかにある。
・平成2年2月24日朝日、幹事長、自民党三役に聞く「私は個人的には、政治献金をすべてやめるという考えだ。個人からの献金なら良いという話があるが、献金する規模が小さくなればなるほど利害が絡む。ただ、政治家個人ではなく、政党への献金ならいい。との議論はあるかも知れない」(小沢一郎氏の初当選からの言動を振り返る・その一)

・平成2年12月31日朝日、幹事長、党三役インタビュー

政治にカネがかからないのがいいことで、かかるのは悪いとマスコミ的な仕分けをするのは非常におかしい。僕はカネのかからない政治を目指す、とは一度も言ったことがない。国民が求めているのは、きちんとしてカネが集まり、きちんとして使われ、それがオープンになることだ。オープンでないところに問題がある」(小沢一郎氏の初当選からの言動を振り返る・その一)

・平成4年7月24日産経、政治改革を聞く

(献金は)『小口でたくさん』と言うが、とても集まらないのが実態で、それは幼稚園の作文みたいな話です。そういうのはいけない。カネを出す単位はできるだけ大きい方がいい。単位として一番大きいのは税金です。(中略)だから僕は、『政治活動にかかる金は税金で出しなさい。こんなに安上がりなものはない。いろんなスキャンダルが起きたり、疑われたりするこのロスとコストを考えてみなさい』と言っている」(小沢一郎氏の初当選からの言動を振り返る・その一)

まあ、過去を振り返らないのが政治家の常、というわけか、そのくらいじゃなければ、こんなにいろんな党を作ったり壊したりできない。今夜の記者会見を見ると、どうやら潔白というだけで、このまま突っ切るらしい。でも、せめてイチローのようなインパクトのある発言をしてもらいたい。もっとも、発言だけでなく、イチローのような国民を納得させる行動も必要だけど。

追記

今夜の会見で、イチローの話題が小沢党首から出た。

【小沢氏続投会見】(4)完「イチローのように頑張る」(24日夜)


−−今日、日本にとって一番さわやかな話題はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、イチロー選手が日本に勝利を呼び込んだ。民主党のチームのリーダーとして小沢一郎さんがこれから続投する中で、かなり厳しい戦いになる。そのときにイチロー選手のような起死回生のクリーンヒットを打つことに関して、企業団体献金の全面廃止をひとつの方針としてまとめ、総選挙の争点にするという大方針は考えているか

 「今日の、同じ名前ですが、イチロー選手のような役割を自分が果たせたらこの上ない喜びと思っておりますが、今後そういう役割ができるように頑張ってまいりたいと思っております。それから企業献金の全廃ということはこれは私突然言い出したことではありません。(著書の)『日本改造計画』の中でも触れておりますし、私自身の持論はディスクロージャーということでありますけど、企業献金にまつわるいろいろ問題があるとするならば、また今回のことも考慮に入れて、やるならば企業献金をすべて禁止するという方策しかないだろうと思っておりまして、これが民主党の党内の結論になるかどうかは幹事長はじめみなさんの議論を待ちたいと思っておりますし、それが民主党のみんなの総意ということになれば、ひとつの総選挙の争点になることは間違いないだろうと思っております

でも、本文にも書いたように、「ただ、政治家個人ではなく、政党への献金ならいい。との議論はあるかも知れない」(小沢一郎氏の初当選からの言動を振り返る・その一)」のように、個人献金も政党に対して行われるのだろうか。
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