夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

ペコちゃん疑惑・フォト版

 今回のエントリーは、リニューアル記念として、ペコちゃん疑惑ペコちゃん疑惑・2 を、改めて写真つき(ペコちゃん疑惑2はリンクのみだったので)で紹介しよう。

(1)起

発端は、2007年5月、あるブログに載っていたスペインのペコちゃんそっくりの写真だった。
f:id:mugendai2:20130201145907j:plain
これは、Miss Palomitaという名前のキャラクターらしい。ペコちゃんといえば、
f:id:mugendai2:20130201145906j:plain
これだが、あまりにもそっくり。載っていたブログに
ペコちゃんは元々不二家がこのMiss palomitaを盗用したものです。 不二家のwebには大嘘が書かれていますが、お客様電話サービスでもいいですから問い合わせれば解りますよ。 良く考えてみて下さい? あのバタ臭いデザインのペコちゃん、その使用開始の時期.... 因みにこのMiss Palomitaの会社はChurruca.saと言うのですが、創業は不二家より古いのです。(スペイン一の不良娘)
という記載があり、俄然興味がわいた。不二家がこのペコちゃんのキャラクターを始めたのは1950年、Churruca.saの創業は1932年である。だが、創業以来、このMiss palomitaを使っている証拠がない。

そこで、不二家のペコポコランド

ぺコちゃんが生まれたのは「ミルキー」発売の少し前、
アメリカの雑誌に出ていた女の子を漫画的に誇張して図案化されました。
女の子がいれば男の子もということでポコちゃんが誕生。
不二家が戦前から温めていた名前、ぺコとポコの二人の名前が選ばれました。
とある。すると、これはアメリカなのか、スペインではないのか

(2)承

 遠藤諭の東京カレー日記なるブログに注目すべき記事が。
 ではあの顔のキャラクターは? というとミルキーの発売と同時、外国雑誌のさし絵からヒントを得たもので、まずペコちゃんが生まれ、ポコちゃんはペコちゃんから派生して作られた。「ペコちゃんたちのお父さんやお母さんをと考えたこともあったが、それではお祖父さん、お祖母さんはどうだ、伯父さん、伯母さんはどうだと言い出すと、天文学的な数字にもなりかねないし、第一ややこしいというので、とりやめに決まった」などとも書かれている。

(中略)

 むろんこれは(株)不二家の社史からではない、賢明な読者はすでに御察しのとおり、本誌のとびら絵がそれなのだが、これは'50年頃の広告関係の本に紹介されたアメリカの食品会社の広告。バード・アイという缶詰なんかを作っていた会社のオレンジ・ジュースの広告なんだけど、ほら、ペコちゃんそっくりの、というよりもこっちが元祖のペコちゃん(名前はわからない)が、コップを片手に舌をペロリとやっている。よく考えると、この舌ペロリのポーズは、ミルキーよりもオレンジ・ジュースの方がしっくりくるんだよね。現在のデザイン化されたペコちゃんじゃあなくて、発売初期のものは、ほとんどこのバード・アイのペコちゃんとのそっくりさんなのに驚かされる。それから、この広告、よく見ると小さな3コマ・マンガがついていて、そこにはなんと、本物のヤンキーボーイのポコちゃんと、日本ではついに登場しなかったペコちゃんのママだって「バード・アイのジュースはおいしいでしょ」てな感じで50年代ふう冷蔵庫の前に立っていたりするのだ。日本のポコちゃんの方は、ちょっとゲバラふうの変テコなベレー帽なんかかぶっちゃって、かつてはペコちゃんとともにけっこうな人気(例の肩かけ式ミルキーの箱を、男の子はポコちゃんの方を表にしてかけたもんよ)を保っていたもんだけど、あの素朴なコちゃんとは大違い。アメリカのポコちゃんは、髪の毛を額の上でクリクリとまるめて、顔もニキビとソバカスだけら。超バタ臭い、よくアメリカのホームドラマなんかで真っ先に事件を起こすタイプの、日本のどのイラストレーターが描いてもここまでは描けないというくらいの目を覆うばかりのヤンキーボーイぶりなのだ。

 実物大のペコちゃん人形なんかの場合、さすがに日本人ふうに配慮して作られていたけど、もともとペコちゃんというキャラクターは、(不二家としては)アメリカの女の子のイメージで作りたかったらしいのだ。それが外国雑誌のイラストからヒントを得ることになった。そのキャラター(つまりペコちゃん)の個性は非常に強力で、人種を越えて歩きはじめたということなのだろう。そして、そのオリジナルは、実は、バード・アイという全く別の商品の広告キャラクターとして描かれていたということなのだ。(「ペコちゃんの真相」)

そこで、バード・アイの広告を探し始めた。見つけたのがこれ
f:id:mugendai2:20130201145905j:plain
でもこれではなかった。

(3)転

 2009年8月に銀座不二家でペコちゃんミュージアムが開かれた。そこでスタッフに疑問をぶつけるために行ったのだが、そこでPeko Bookなるものを手に入れた。
 終戦後の荒れた街に不二家は、街のオアシスになりたいという営業コンセプトを見つけます。その当時、発売前のミルキーを印象づける宣伝も兼ねて奇抜だけれども夢がある、なにかいいアイデアを……考えていた不二家社長は日劇のレビュー「真夏の夜の夢」の一場面を見てひらめきました。舞台の上では楽しげに踊る張り子の動物たち。「ああいう張り子の人形を店頭に置いて見たらどうだろう、なによりお客様の目をひくし、おどけた感じが愉快じゃないか」。こうして、不二家の社内で「ペコちゃん人形プロジェクト」が始動しました。国内外のいろいろな雑誌をもちより、誰からも愛される、とにかく明るい女の子にしたい! 当時の宣伝部員たちの熱い思いと試作を経て日劇の大道具が製作を担当した張り子の「ペコちゃん第1号」が銀座の不二家店頭に立ったのは1950年頃、今から60年前のことでした。(Peko Book)
まず、ペコちゃんのデザインのおさらいをしていこう。
f:id:mugendai2:20130201145904j:plain

さて、この頃になると、スペインのMiss Palomitaのことも明らかになりつつある。
f:id:mugendai2:20130201145903j:plain
実は、CHURRUCAにはこの2つのキャラクターがあった。

このスナック菓子メーカーCHURRUCAは1932年創業、
古くからコックのおじさんの顔で親しまれ、
海外にも輸出している老舗。(他の国でも出会えるチャンス有り)

80年代後半から家業を継いだ2人の兄弟が不仲になり、
2人がそれぞれ別々の場所でこのCHURRUCAの名前を語り
菓子製造を続けていたらしいのです。


で、オジサンを使わなかった(使えなかった?)方の派閥が数年前、
金髪のペコちゃん=Miss Palomitaをニューフェイスに抜擢したようです。
(但し、その裏づけとなる記事には出会えず)

それが昨年7月、
CHURRUCAの名前とオジサンの顔がオークションにかけられました。
闘争中の兄弟の片方が712万ユーロ(何億だよ?って額です)
で見事落札、長年のお菓子をめぐる兄弟喧嘩の決着が付いたようです。(金髪のペコちゃんの事情)

つまり、日本のペコちゃんは60年、スペインのMiss Palomitaはわずか数年と言うことになる。パクったのはスペインの方と言うわけだ。一方、バード・アイの広告の方だが、
f:id:mugendai2:20130201145902j:plain
それぞれの名前については、
f:id:mugendai2:20130201145901j:plain
1951年製、ゼネラルフーズよりとてもレアなジュースジャーのご紹介です。バード・アイ社(BIRDS EYE)の広告キャラクターとして使われていた可愛い男の子と女の子。名前はMerryとMikeとMinx!舌をペロっと出して、ドリンクを飲んでます♪ミルキーで有名なペコちゃん&ポコちゃんの原型?と言われているキャラクターです。たっぷりジュースやミルクを入れて、楽しいモーニングにいかがでしょうか♪同じイラストがグラス表面に3か所プリントされてます。(アメリカンコレクティブル雑貨店)
この順番だと、ペコちゃんは髪型から左端のメリーと言うことになる。でも、定番のオーバーオールは右端のMinxだし。さて、決定的なのは
f:id:mugendai2:20130201145900j:plain

(4)結

 不二家のスタッフに聞いた事を書いておく。

 まず、スペインの方だが、現在、弁護士を通して交渉している段階だという。ただ、現地に直接の販売網がなく、現実に競合していないので、相手のCHURRUCAも老舗なのでなかなか進展しないといっていた。

 また、アメリカのバード・アイについては、現在、ゼネラル・フーズに買収されており、調べてみてもこのキャラクターは使われていないようだ。また、不二家では、もともとは店頭用の人形のデザインなので、別物として考えているという。
ブログパーツ