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素人だから言えることもある

プロとアマチュアの境がなくなる・総クリエイターの時代

 メディアとエンタメ業界の最大の脅威はUGC--米欧の上級幹部の見解が明らかにという記事によると

ある調査によると、メディアおよびエンターテインメント業界における最大の脅威は、ユーザーが作成したコンテンツであるとの結果が示されたという。また同調査から、既存の企業らがWeb 2.0によるトレンドへの対応に苦戦していることが明らかとなった。
 とある。今まで、生産者(クリエイター)と消費者(視聴者)の間に厳然と境があった。ところが、昨今のネット環境の変化でこのプロとアマチュアの境が消えつつあることが判明した。誰もが発信者となるアマチュアデジタルビデオ、ポッドキャスト、wiki、ブログをはじめとするユーザー生成コンテンツ(User Generated Contents:UGC)の成長が、メディアやエンタメ業界にとって無視できないし、むしろ積極的にユーザーを取り込まなくては成長できないだろうという予測をした。

 これは何を意味するか。「第2の波では組織、第3の波では個人が主体に」で

さて、僕は「革命前夜」でアルビン・トフラーの「富の未来」をとりあげ、第二の波(産業革命)から、第三の波(知識革命)に変わりつつあると論じた。それは同時に、大量生産・大量消費の企業組織主体の価値観から、それぞれの消費者にあった知識を持つ個人の力が主体になるということなのではないか。たとえば、テレビのコンテンツというものも、もともとは作家の知識が大本になっている。インターネットのブログなどは、今まで物言わぬ大量生産品の消費者たちが一斉にしゃべりだしたということもできる。つまり、しゃべる消費者の出現である。メーカーとしては、これら消費者の言葉は無視できない力となる。

 そうなると、現在のテレビのありようも変化せざるを得ない。テレビ局はより良質の知識(コンテンツ)を持つ人間を集めなければ、インターネットに対抗できないからだ。まだ、テレビ局は自分たちは番組のプロであるという、おかしな自信を持っている。だが、制作会社がなければ番組制作はできない。その制作会社は何を考えているのか。テレビしかなかった時代、制作会社はテレビ局の電波管理の下で、唯々諾々と働かざるを得なかった。インターネットでは、その鉄鎖は取り払われる。

 さらに、「メディア革命」でも
コンテンツというと、どうしても過去に流した番組というモノが財産のように思われる。だが、一番大切なものはそれを生み出す生産消費者(「消費者から生産消費者へ」)である。さらに「ネットと放送の新時代」で語ったクリス・アンダーソンの言葉「プロが作成してアマチュアが消費するという従来の図式が崩れて両者の境界があいまいになり、アマチュアもプロと同じくらい制作に貢献できる」のように、圧倒的に大勢のアマチュアの中から、明日のクリエイターを産出する可能性が増えたことを意味する。テレビ局は、そのアマチュアの中から良質のコンテンツを生み出すクリエイターを抱え込むことができるかが、これからのテレビ局の生き残りの唯一の方法となる。
これからのメディアは、今までのクリエイターを生み出すシステムを大きく変えざるを得ないだろう。なぜなら、今まで受けてであった視聴者は、明日からどんな分野で伸びるかわからない明日のクリエイターなのだ。いわば、単なる消費者でなく生産消費者の誕生である。メディアは、彼等の真贋を見抜くとともに、常にユーザーに対して気を配っていかなければならない。もし、今までのような態度であれば、たちまち他のメディアに取って代わられるだろう。ネットの時代には、いくらでも代わりのメディアがあるのだから。


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