夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

現代日本人の心理

想定外の事態(現実がひっくり返る年・2)

今回の地震は何もかも想定外だった。そう言うのはテレビに登場する地震学者たちである。10メートルを超える大津波など考えていたら、いくら堤防を高くしてもコストばかりがかかる無用の長物となっていただろう。 想定外と言えば、福島原発の炉心溶融による活…

600万人の社内失業者

他人からフリーライダーと見られている人前項「不信の時代」で、70万人のひきこもりを取り上げたが、会社内にも似たような現実がある。それも一桁多く。今回のエントリーでは、「社内失業 企業に捨てられた正社員」(増田不三雄著/双葉新書)を元に考えていく…

不信の時代

30代のひきこもりが70万人NHKクローズアップ現代で、「働くのがこわい 新たな“ひきこもり” 」という番組が放送された。内容紹介によると、“ひきこもり”の長期化、高年齢化が止まらない。去年内閣府が行った調査によると、ひきこもりの人は全国に70万人い…

「真面目が一番」だけじゃやっていけない時代

日経ビジネスオンラインの記事から「真面目が“バカ”を見る?! 日本社会の未成熟」(河合 薫の新リーダー術)を読んだ。ひたすら頑固なまでに、彼らは決まった仕事を決まった時間に繰り返す。何事も起こらないように働くことが、彼らに課せられた最大の使命だ…

ゲームもテレビも「失敗したくない病」(失敗を許さない国・2)

カプコン稲船氏退社カプコンの稲船敬二氏が退社した。その退社理由が4gamer.net に載っていた。いくつか、引用してみる。稲船氏: 辞めるという話はそもそも,ゲーム業界自体――といいますかゲームの制作という行為そのもの――を変えなくてはいけない,と思っ…

キュレーターの役割は考える読者を作ること

マスメディアが作った考えない人僕は、現代日本人の特徴を「三ない主義」として次の3つを掲げた。「対話がない」「考えない」「希望がない」(現代日本人の精神の貧困「三ない主義」)本来、テレビのある茶の間は家庭団欒の場であるはずなのに、会話がなく、い…

失敗を許さない国

僕は、「コリコウな人々」でこう書いた。このようなタイプは、細かいことによく気がつき、大きな失敗はしない。だが、大局に立つことは苦手だ。ほどほどに知能が高く、常識を守り、保守的だ。常識を打ち破る人間に対して、抵抗したり、足を引っ張る。官僚的…

コリコウな人々

「バカ」について考えていくと、「リコウ」についても考えたくなる。特に、気になるのは「コリコウ」だ。小利口とも書く。こ‐りこう【小利口】 [形動][文][ナリ]目先のことによく気が付き抜けめがないさま。「―な娘」「―に立ち回る」(goo辞書) この…

「バカ」について考える

「バカ」とは何かインターネットでバカになる人、リコウになる人が意外に好評なので、そもそも「バカ」とは何かを考えてみる。単純に「バカ」といっても意味合いが広い。「馬鹿」のWikipediaにこんな用例が載っていた。馬鹿のもつ意味合いと使用される状況の…

インターネットでバカになる人、リコウになる人

ダイヤモンド・オンラインで「iPad、グーグル、ツイッターでヒトは本当に馬鹿になりつつあるのか〜米国の著名テクノロジー思想家ニコラス・カーが語る“ネット脳”の恐ろしさ」というやたらに長いタイトルのインタビュー記事を読んだ。何でも、ニコラス・カー…

日本はどこで道を間違えたのか

NHKスペシャル「消えた高齢者 “無縁社会”の闇」 昨日の9月5日、NHKスペシャル「消えた高齢者 “無縁社会”の闇」を見た。解説にこうある。生きているか、死んでいるかさえ分からない’――所在不明の高齢者が相次いで発覚する異常事態。各地の自治体は今も毎日、…

怪談「都市八分」とノスタルジア軍団

怪談「都市八分」は保守主義者の嘆きか 怪談「都市八分」・人間はモノに変化したを読んで、「昔が良かった」とか「ケータイを捨てろ」と思った人がいるとしたら、それは意味を取り違えている。僕は、文明の進化というのは、止められないものであり、最近のニ…

モノになりかかった人への処方箋

忙しくて孤立する都市の構造「希望がない」「対話がない」「考えない」というのが現代日本人の特徴だ。仕事が忙しくて家族との対話がなく、対話するのも同じ会社の仲間だけ。一生懸命考えているのだが、結局、自分の周りのことだけで、将来や全体を展望して…

怪談「都市八分」・人間はモノに変化した

消えた村二分 村八分という言葉がある。村八分(むらはちぶ)とは日本の村落の中で掟や秩序を破った者に対して課される消極的制裁(共同絶交)行為についての俗称。地域の生活における十の共同行為のうち、葬式の世話(死体を放置すると腐臭が漂う、また伝染…

21世紀の今、改めて読み解く手塚治虫のメッセージ

鉄腕アトム・ブラックジャック・どろろの共通点 昨年2009年は、手塚治虫生誕80周年であった。実写版映画「MW」や「どろろ」、ハリウッド版アニメ「ATOM」など公開されたが、もう一つパッとしなかった。60歳で亡くなった手塚治虫にとって、せめて鉄腕アトムが…

マツダの事件と秋葉原をつなぐもの

再び「誰でも良かった」事件、突発する また、無差別殺傷事件が起こった。何でも、2年前の秋葉原の事件の模倣であるという。「秋葉原事件のようにする」マツダ11人殺傷 広島市南区のマツダ本社工場に22日朝、乗用車が侵入し、男性従業員を次々とはねて…

無縁社会と三ない主義

縁がないのではなく縁が機能していない 4月3日、NHKで午後4時から、1月31日に放送した「無縁社会」の再放送を含めた特集番組「無縁社会 私達はどう向き合うか」が放送された。「無縁社会」の解説にこうある。「無縁社会」はかつて日本社会を紡いできた「地縁…

現代日本人の精神の貧困「三ない主義」

「三無主義」という言葉がある。30年ほど前に若者に対する批判として作られた「無気力・無関心・無責任」のことであるが、無感動を加えて「四無主義」と呼ばれることもある。(なお、諸説あり、後から無責任が入ったという説も)。ともかく、最近、この現代…

対話なき日本に未来はあるか

対話が消えつつある現代 最近のエントリー、誰も小沢さんがわからない・映画「おとうと」に見る家族内コミュニケーション・私たちの心の中に潜む「小沢一郎」的部分など、くしくも対話とコミュニケーションの話に集中した。 僕が小沢氏の言動に着目したのは…

私たちの心の中に潜む「小沢一郎」的部分

このエントリーは「誰も小沢さんがわからない」の続きである。そのエントリーに書いた「誇大自己症候群」と小沢氏の経歴を読み比べ、このような性格はどのような理由から来たのか、そして現代社会にはそのような性格の人間が非常に多くなっているのはなぜか…

映画「おとうと」に見る家族内コミュニケーション

賢い姉と愚かな弟 山田洋次監督の「おとうと」を見てきた。どんな家でも、親戚には必ずいる困った人。映画「おとうと」では、吉永小百合の姉・吟子と笑福亭鶴瓶の弟・鉄郎を中心に描かれている。愚かな兄と賢い妹の関係は、同じ山田洋次監督の「男はつらいよ…

言語力低下とおタクと「コミュニケーション不全症候群」

クローズアップ現代「言語力が危ない」 11月25日のNHKクローズアップ現代を見た。テーマは、「言語力」。解説にこうある。“言語力”が危ない〜衰える 話す書く力〜 10月下旬、「言語力検定」がスタートした。言語力とは論理的にモノを考え、表現する力を指し…

貧困と孤立、そしてウィークタイズ

孤立は正社員にまで広がっている ETV特集「作家・重松清が考える 働く人の貧困と孤立のゆくえ」を見た。解説によると 去年暮れから年始にかけて開設された「年越し派遣村」。仕事とともに寝る場所までも失う派遣など非正規労働者の現実を目に見える形で示し…

家族の期待は、子供の人生を変える

残業廃止は、ワーク・シェアリングの第一歩 最近のエントリー、「亀井さん、文句を言う相手、間違っていませんか?」、「「助けて」と言えない理由」などで、家族間の事件が増える理由として、大企業の経営者を諌めるよりも、日本人の仕事中心の考え方が、結…

「助けて」と言えない理由

本日、NHKのクローズアップ現代「“助けて”と言えない〜いま30代に何が〜」を見た。番組解説に今年4月、福岡県北九州市の住宅で39歳男性の遺体が発見された。男性は死の数日前から何も食べず、孤独死していたとみられる。しかし、男性は、困窮する自分の生…

ものづくり国家日本の悲劇

13億の中国市場は無視できない 「勝ち馬に成りたがる中国(ホームサーバの戦い・第33章)」で、僕は中古独自のCBHDを取り上げた。日本は、事実上、中国を離れて生きてはいけない。家電製品や食料品が安いのも、製造現場が中国にあるからだ。ところが、日本製…

人はなぜ、ダークサイドに惹かれてしまうのか・6

聖なるものとは何か 映画「スター・ウォーズ」とゲーム「ファイナルファンタジー7」の世界を通して、現代社会のダークサイドを探っているが、僕は「人はなぜ、ダークサイドに惹かれてしまうのか・2 」で、聖職者のことを取り上げたが、ゲームや映画では、聖…

人はなぜ、ダークサイドに惹かれてしまうのか・5

心の中のモンスターと小沢辞任 前項「人はなぜ、ダークサイドに惹かれてしまうのか・4」で、僕はFF(ファイナルファンタジー)7のバレットの言葉を引用した。「モンスターの巣は、おれの中にあるのかもな」 (野島一茂著「On the Way to a Smile-FINAL FAN…

人はなぜ、ダークサイドに惹かれてしまうのか・4

仲間と孤独 前項「人はなぜ、ダークサイドに惹かれてしまうのか・3」で、「FF7」のティファとバレットの話をした。二人とも、家族を殺され、神羅に深い怒りを持っていた。つまり、彼らはすでにダークサイドの面に深く落ちていたのだ。その点では、ダインと同…

人はなぜ、ダークサイドに惹かれてしまうのか・3

ダークサイドと父と母 今回のシリーズは、現代社会のダークサイドを「スター・ウォーズ」と「FF7(ファイナルファンタジー7)」という2つの物語を通して考えてみようと思っている。もともと「ダークサイド」とは、「スター・ウォーズ」の「フォース」の暗黒面…