夢幻∞大のドリーミングメディア

素人だから言えることもある

2008-01-01から1年間の記事一覧

福祉国家の失敗〜40年前の「断絶の時代」を読む(3)

「断絶の時代」を読んで、あまりにも現代日本の状況にぴったりだと思ったのは次の箇所である。 しかし最大の幻滅は福祉国家の失敗だった。豊かな現代社会において、社会的なサービスや福祉が必要ないという者はそれほど多くない。だが福祉国家は社会的なサー…

ノーベル賞受賞者の嘆き〜40年前の「断絶の時代」を読む(2)

日本人のノーベル賞受賞者が相次いでいる。しかも、応用科学よりも基礎科学の分野である。受賞した理論はすでに何十年も前だというケースが多いのが不思議だ。最初のアイデアから考えるともっと長い。「断絶の時代」にはこんな文章がある。 今日、知識は速く…

40年前の「断絶の時代」を読む(1)

今、起きている社会変動の原因は何か。調べていくと、ピーター・F・ドラッカーの「断絶の時代」に行き着いた。今回は、「ドラッカー名著集7 断絶の時代」 (ドラッカー名著集 7)」(ピーター・F・ドラッカー (著), 上田 惇生 (翻訳)/ダイヤモンド社)の前書きか…

「誰でもよかった」の匂いがする個室ビデオ放火事件

「生きるのがいやになった」というのは、放火犯人の言葉だが、秋葉原通り魔殺人の犯人の言葉「世の中がいやになった。人を殺すために秋葉原に来た。だれでもよかった」の「世の中がいやになった」に通ずる。2人とも自分の生きづらさを他人に転嫁している点…

ホリエモンのソニー買収計画

半月も前の記事だが、IT Proで、ホリエモンがソニーを買収する話が載っていた。今回は、ついでに今までまとめた買収計画を並べてみたい。 ホリエモンのソニー買収計画沈黙を破ったホリエモン,ITを語る “iPhoneをやるため”にソニーを買収したかった ——当時,…

考えない人間と細民化

最近「考えない人間」をテーマにして、考えているが、人間である以上、考えない人間というのはありえない。ところが、なぜか「考えない人間」が増えていると考えざるを得ないのだ。ぼくは、「なぜ、考えない人間が増えてきたのか」のコメントでこう書いた。…

考える人間とファンタジー

「はてしない物語」 「夢物語」で、僕はミヒャエル・エンデの「はてしない物語」の言葉を引用した。「絶対にファンタージェンに行けない人間もいる。いるけれども、そのまま向こうに行きっきりになってしまう人間もいる。それからファンタージェンに行って、…

iPhoneを発想できなかった日本

なぜか似ているアイデアテレビのWii化? フォトレポート:[CEATEC JAPAN]ジェスチャー操作、ワイヤレスHDで垣間見えた未来で、現在CEATEC JAPANで家電の未来が展示されているという。 パナソニックブースでは、未来型のインターフェースを数多く出展。その中…

「食の安全」の幻想

最近、メディアの報道に対して、疑い癖がついている。昔は、母親が自分の子を殺すなんて、信じられなかった。しかし、二度、三度、続くと、子供が誘拐されたと報道されると、親が犯人になる可能性は何%なんて考える癖がついてしまった。 また、何回か同じよ…

考えない人間ばかりで日本は大丈夫か

ノスタルジア軍団では乗り越えられない 「先のことを考えられない人たち」「なぜ、考えない人間が増えてきたのか」で、日本中、いやサブプライムローンを見るとアメリカも、考えない人間が増殖していることを見てきた。それでも、トップがしっかりしているか…

なぜ、考えない人間が増えてきたのか

やる気を削ぐ日本の会社 それはひとえに企業が優秀な人材を作るシステムでなくなってしまったからだ。ただ、ただ、自分の現在の地位を存続させるためだけの会社。たとえば、ホウレンソウ”は第二の“カロウシ”になるかというブログで日本の典型的なケースを見…

先のことを考えられない人たち

リーマン・ブラザーズ破綻とサブプライムローン 最近、国の内外をにぎわしている事件がある。「リーマン・ブラザーズ破綻」と「汚染米騒動」だ。この2つ、まったく違う問題なのに、当事者の発想には共通点がある。どちらも、これから先のことを考えられない…

人間の能力はどこまでが真の実力か?

ロボットのように 「インターネットと人類の縮退」を書いたとき、思ったのは、あまりにも複雑な世の中で、特殊な小さな分野の中で、働くとき、人間の想像力はかえって邪魔になるのではないか。人間らしさ、自分らしさを出すことが禁じられ、ただ数字(成果)の…

形のないものに金を払えるか

パッケージからネットへ 森祐治氏の「ネット発の経済価値を具現化せよ」は、インターネットのマネタライズ化に対して、さまざまなイメージを想起させてくれる。 それは今までのコンテンツがパッケージを前提に作られてきたことだ。新聞には、記者のほかに印…

インターネットと人類の縮退

ウェブの知識を世界中に ウェブの生みの親T・バーナーズ・リー氏、World Wide Web Foundationを立ち上げという記事があった。 ウェブの考案者であるTim Berners-Lee氏は米国時間9月14日、開発途上国にウェブを普及させ、オープン性を維持しようする取り組み…

まじめに働く時代は終わったのか

ぼくは前項「私たちには妄想が欠けている」で、ユニークな商品が登場する理由のひとつに、ビジョンを掲げて邁進する「バカ者」の存在が必要だと説いた。しかし、私たちは、こんな「バカ者」は資金のある会社のトップにある特権だと考えていないか。それは成…

私たちには妄想が欠けている

知識組替えの衝撃 αブロガーの村上敬亮氏の「情報の質とコンテンツ〜経験価値経済の時代へ〜」の中で、経産省の「知識組替えの衝撃〜現代の産業構造の変化の本質〜」について言及されていた。そこで、プリントアウトして読んでみた。報告書の要約としてこう…

もっとパラリンピックに目を向けよう

パラリンピックは痛々しい 9月6日から北京でもうひとつのオリンピック、パラリンピックが始まった。しかし、オリンピックに比べて放送時間がひどく少ない(NHK放送予定表)。民放など、皆無である。私たちは、障害者に対して、何か偏見があるのだろうか。感動…

iPhoneのとんでもない未来

やがてパソコンはモバイル化する EeePCなど低価格パソコンの登場で、パソコンメーカーの再編が近づいているというニュースがあった。エイサーCEO初来日、パソコン業界の再編示唆 世界シェア3位のパソコンメーカー、エイサーグループのジェイティ・ワン最…

「あなたとは違うんです」首相の存在感

あなたとは違うんです大流行引退記者会見の福田首相の言葉をまとめてみる。 ——一般に総理の会見が、国民には人ごとのように聞こえるというふうな話がよくされておりました。今日の退陣会見を聞いても、やはり率直にそのような印象を持つのです。安倍総理に引…

なんでも流動化

最近流行っているもの。 福田首相退陣で政治が流動化。 ゲリラ豪雨で地盤が流動化。 値上げラッシュで経済が流動化。 非正規雇用で労働が流動化。 安定しているものって何だ?

ストリート・ビューとプライバシーの終焉

衆人監視時代の始まり ぼくは、「現代社会に完全なプライバシーなどは存在しない」で、こう書いた。 検索するということは、ある面では、他人のプライバシーを暴くことである。なぜなら、その人物のことを書くのは、本人ではなく、知人だからである。ユーザ…

忙しいことはそんなによいことか

VTR手法を持ち込んだ24時間テレビ 日本テレビの24時間テレビを見ていると、それぞれのコーナーの終わりにクライマックスが来るように、すべてのコーナーができていることに気づかされる。たとえば、マラソンがそうだ。あらかじめ、時間内に到着されるように…

私たちは、インターネットで引き起こされたパラダイムシフトの真っ只中にいる

2本のクローズアップ現代 8月26日のNHKクローズアップ現代「グローバル・インフレ”の衝撃〜転換する世界経済 日本は〜」を見た。解説にはこうある。 去年8月のサブプライム・ショックから1年、世界経済は危機に直面している。住宅バブルの崩壊が引き超…

ジャーナリズム幻想論

祭りのあと 北京オリンピックが終わった。閉会式の演出も開会式の演出と同じく、チャン・イーモウ監督であるという。チャン・イーモウといえば、「HERO」や「LOVERS」でワイヤーアクションを多用している。オリンピックの開会式や閉会式の演出でも、ワイヤー…

勝利の女神を追いかけるものたち

メディアとメダル テレビで金メダルを取ったソフトボールの選手たちがワイドショーに追いかけられていた。なぜ、同じ日に負けたサッカーのなでしこジャパンを追いかけないのだろう。おそらく、ワイドショーは両方の選手たちを取材しているはずだ。敗者の取材…

日本、スラム化の予感

賃金が上がらない 日経ビジネスオンラインにこんな記事があった。 賃金抑制はもう限界 2002年以降の景気回復で企業部門は大企業を中心に史上最高の利益を更新し、高収益、好決算を続けてきた。にもかかわらず、「賃金」の伸びがさっぱりだからだ。(賃金抑制…

モバイルインターネットはPCを救う?(ホームサーバの戦い・第21章)

Street Viewのあるケータイ グーグルのエリック・シュミットCEOは、こんなことを言ったという。 Google CEOのシュミットが予言,将来はモバイル事業がPC事業を上回ると(メディア・パブ8/16) GoogleがAppleに時価総額で追い抜かれた丁度そのタイミン…

選手を追い詰めるのは誰だ

アメリカメディアの意向 北島康介選手が金メダルを取った。しかし、決勝が北京時間の午前中だったのはなぜか。そして、バレーボール中継がいつも深夜なのはなぜか。YAHOO知恵袋 質問 水泳の北島選手が「明日の準決勝は午前中なので…」とインタビューに答えて…

未来は過去でできている

8月になるたびに思い出す言葉がある。ドイツの元大統領ヴァイツゼッカーの言葉だ。「罪の有無、老幼いずれを問わず、我々全員が過去を引き受けねばならない。全員が過去からの帰結に関わりあっており、過去に対する責任を負わされているのである。 過去に目…